Esriのユーザーがコンカレントライセンスを取り戻す

1年前、ESRIはライセンスモデルを変更することで、利用者の間にかなりの驚きをもたらしました。エンジニアリングソフトウェアのライセンスは非常に高価であり、EsriのArcGISライセンスも例外ではありません。ほとんどの製造関連の企業は、コンカレントユースのライセンスを購入しています。このモデルは、一般的に最も対費用効果が高く効率的な使用が望めるライセンスモデルです。Esriは、新製品であるArcGIS Proをシングルユースまたはネームドユースライセンスで2017年初めから販売し、コンカレントユースのライセンスを段階的に廃止すると発表しました。残念ながら、この発表は2016年末の直前に行われ、ArcGISのライセンス所有者は、その影響を理解したり、変更に対応する時間がほとんどありませんでした。

ArcGISの製品ラインの変化

Esriは、64ビットアーキテクチャーに移行するために、このGISスイートの原点であるArcMAPを段階的に廃止し、利用者がEsriと保守契約を結んでいる場合、 ArcGIS Desktop内で使用可能なArcGIS Proに置き換えて使用することができるようにしました。 このチャレンジは、ArcGIS Proのデフォルトのライセンスがネームドユーザーライセンスであり、Esriがコンカレントライセンスを段階的に廃止しようとしていることを明らかにしたようです。当社は確信を持つことはできませんが、既存の顧客の多くがコンカレントライセンス配布方式とは別のバージョンとなるArcGIS Desktop 10.5へのアップグレードに抵抗していた可能性があると推測します。 以前のバージョンのArcGIS 10.4は、2018年1月末までしか購入できませんでした。これは、顧客がArcGISを採用する未来を決定するよう強いられていることを意味します。

ネームドユースライセンスとコンカレントユーズライセンスの経済性

このライセンスはArcGISソフトウェアのコストに重要な貢献をしており、CIOとライセンスの管理者は、コンカレントユーザーライセンスを使用して最大の効果を発揮し、1ライセンスにつき3ユーザー以上を目指しています。どの企業や組織にとっても最高のArcGISのライセンスオのプションはコンカレントライセンスであり、Esriが提供する旨味(3対1のライセンススワップ、)は顧客を引き寄せるものではありません。顧客に対する状況は極度に厳しいように見えましたが、Esriは最終的に利用者の声に耳を傾け始めました。

集団の力

ESRIのArcGISライセンス所有者は、米国、ヨーロッパおよび中東からアジア太平洋諸国まで、ユーザーグループの活発で活動的なコミュニティを持っています。水資源管理や地方自治体など、現地ベースのグループとSIG(特別利益団体)があります。Esriはまた、共同作業のためのグループをソフトウェアの不可欠な部分として構成することを奨励しています。米国および世界の両方で、定期的なユーザーグループのイベントが開催されています。これらのイベントは、新しいライセンスモデルについて顧客がその意思の表明を希望する場です。

Esriは常に顧客を向いた会社であることを誇りにしてきましたが、ネームドユーザーライセンスに移行するという戦略は間違いなく顧客志向の企業が提供する快適なユーザー体験ではないと顧客から知らされていました。Esriはいくつかの自己反省を行い、次にすべての顧客に以下のメッセージを伝えました。(以下のリンク先は英文です。)

http://go.esri.com/webmail/82202/506282798/71e698a576fe01985a73839d07b76f80

今回の発表で、Esriは次のように述べています。「ArcGIS Desktop(ArcGIS ProおよびArcMap)のコンカレントユースライセンスは、新規および既存のすべてのお客さまにご提供させていただく予定です。お客さまからのご意見は、コンカレントユースライセンスが、ワークフローに最適な方法でArcGIS Desktopを導入する柔軟性をどのように提供するかを弊社がより深く理解することにに役立ちました。

ArcGISライセンスモデルの復帰にあたり

この変更は2018年1月1日から有効となり、企業の要件に合わせて調整することができ、Esriとその顧客との関係を再構築するのに役立つ柔軟なライセンスモデルが誕生します。マッピングにArcGISを使用する企業は、近い将来にライセンスの使用を管理およびモニタリングするのに最適なライセンスモデルであるコンカレントユースによってライセンスモデルを最適化することができます。

 

いつも記事をご覧いただきありがとうございます。今回の投稿が2017年最後の投稿となります。これからも複雑で変化の多いライセンス関連の業界の最新情報やコストにかかわる重要情報に限らずライセンス関連の広範でかつ有用な情報の投稿を心がけていきます。2018年も引き続きよろしくお願いいたします。

よい年をお迎えください。