Autodeskのトークン フレックス ライセンシングとは?

昨年、利用される企業によってはライセンスの従来のモデルであるコンカレントユーザー数、もしくはライセンスの数から、消費ベースでライセンス配布されたライセンス数、または一般的に知られる「Pay-as-you-go」のライセンス配布へ着実に移行しているようです。Autodeskでは顧客となる企業を対象とした実際の使用に基づいたライセンスオプションをトークン フレックスと呼びます。ライセンス配布のコストの基礎としてライセンスの消費を利用することは興味深いモデルですが、一部のユーザーは永久ライセンスやその他の現行のライセンスモデルから移行する前に計画と見積もりを行いたいと希望がありますのでそれに関する情報を提供いたします。

トークンフレックスのしくみ

トークン・フレックス・ライセンシングは、顧客とAutodesk間の契約に基づく、期限が2年から5年までの固定期間契約です。顧客は、AutoDeskの製品群から必要なソフトウェアにアクセスすることができます。ライセンス数は9,999に設定されていますが、実際の価格はありません。というのは価格設定がライセンス数ではなく使用量に基づいているためです。トークン フレックスは、製品ごとに厳密に動作し、スイートは含まれていません。製品が選択されると、顧客はトークンを購入して実行します。2つのトークンタイプがあります。

  • 年間トークン。未使用の場合は365日後に期限が切れます。
  • 契約期間中の契約ベースのトークンは3年と言われています。年間トークンの場合と同様に、使用されていないトークンは期限切れになり、したがって無効になります。

顧客のポートフォリオ内の各製品には固定トークン「価格」があり、これは一般的にユーザーあたりの24時間単位の使用に基づいています。トークン価格は、より特化されたツールのほうが高くなる傾向があります。たとえば、AutoCAD MEPとRevit MEPは、通常のAutoCADよりも高いトークン価格設定となっており、現在のところ6トークンが必要です。ユーザーは、特定の数のトークンを取得することによってトランザクションを開始するので、必要なソフトウェアを予約することができます。トークンは特定の製品に対してユーザーごとに割り当てられるため、1人のユーザーは1日のトークン価格(AutoCADの場合は6トークン)を支払うだけで、別のマシンでソフトウェアの複数のインスタンスを起動することができます。

トークンごとの実際の費用は契約書を交わす時に交渉されます。購入したトークンの数に基づいて単価を段階的に割り振り、大量の場合は割引オプションが適用されます。

場所とコスト

場所は原価計算モデルに寄与する別の要素です。例えば、ライセンスサーバーが米国に拠点を置き、ソフトウェアがシンガポールで12時間の時間差で、あるいはソウルで14時間の差でチェックアウトされている場合、トークンの使用は倍増する可能性があります。これは、24時間の使用期間がライセンスサーバーの場所にリンクされているためです。

多くの多国籍企業は、ビジネスの継続性、メンテナンスおよび可用性に関する考慮の結果、分散ライセンスサーバーモデルを使用します。分散サーバーモデルはサポートされていますが、冗長サーバーモデルはサポートされていません。

数字を正しく取得する

トークン フレックスに移行するか、あるいは現状を維持するのかを決定する時、使用者なる組織は契約期間に予想されるトークン使用量を見積もる必要があります。過去のライセンスの使用は、今後の使用の目安に過ぎませんが、土木会社のAutoCAD CivilやAutoCAD Vaultなど、最も頻繁に使用されるソフトウェアの近似値を見積もりのために提供する必要があります。企業が発電所の建設などの長期間のエンジニアリングに携わっている場合、現在のプロジェクトの多くはおそらくAutodeskの契約の有効期間を超えるため、ソフトウェアツールの将来の使用の予測はより簡単です。しかし、このタイプの企業は、消費モデルの柔軟性を必要としないので独自の見積もりを行う必要があります。

企業が複数の短期契約を締結している場合、予測はそれほど簡単ではありませんが、トークンモデルの柔軟性がその利点になります。理想的には、契約期間中に最適な数のトークンを購入し、期限切れのトークン数を最小限に抑えることが目標となります。購入したトークンの数は契約価格にもリンクされているため、ライセンスの管理者は自身の仕事を削減することになります。

既存のライセンスについて

過去を振り返ってみると、大部分の企業はAutodeskと永久ライセンス契約を結んでいます。Autodeskは2015年2月、主にサブスクリプション(年間契約)ベースのライセンスの価格体系を変更することを通知し、2016年7月31日までに移行が完了すると発表しました。

ベンダーは、既存の永久ライセンスユーザーに既存のライセンスの継続的なサポートを保証しています。ユーザーがメンテナンスプラン(旧メンテナンスサブスクリプション)を購入した場合、プランの有効期間中は、その有効期間が延長され、プランが更新されている間延長されます。企業がトークン フレックス契約を締結すると、既存の永久ライセンスの契約は消費契約の期間中「凍結」され、企業では使用できなくなります。消費契約の終了時に、組織は新たな消費契約を締結するか、または永久ライセンスの契約に復帰することを選択することができ、永久ライセンスの使用を選択した場合「凍結」から復帰することになります。

トークンフレックス契約の監視と測定

消費ベースの契約によるライセンス管理は、ライセンスベースのモデルとはかなり異なります。オートデスクは、CoreまたはNLRS(Network License Reporting Service)と呼ばれるトークン フレックスをサポートするように特別に設計されたリポートシステムを使用しています。各ライセンスサーバーに読み込ませ、すべてのリポートログをAutodeskにアップロードする必要があります。顧客となる企業は、Autodeskのアカウントポータルを介してオンラインで使用状況のリポートを確認することができます。

免責事項

この記事に掲載されているすべての情報は公に入手可能な情報源に基づいており、現在のAutoDeskのトークン フレックスライセンスモデルとは矛盾する内容や解釈が含まれている可能性があります。このライセンスモデルの最新の利用規約および最新の制約は、ベンダー単体で決定されます。